プロローグ
「大切なものってなんだ?」今日の夢で誰かに尋ねられた。
正直夢の中で真剣に考えてたな。
おまえの真剣は真剣とは言わない? おいおい! そりゃないだろう?
そういえばなんなんだろう・・・・・・。
こたえられなくてさ、悩んでたら「おまえは何者だ?」って訊いてきた。
それなら答えられるって思って言おうとしたら目覚めちった。
あ?何て言うつもりだったんだって?
そりゃな、俺はハヤトで・・・・・・漢字で書くと隼斗で・・・・・・15の頃から大海賊キリン様のもとで海賊やってて・・・・・・もちろん義賊ってやつだ。一般の人様に迷惑かけるようなことはしねぇっていう精神は守ってる。そりゃ海賊ですから奇麗事じゃすまないだろうけどさ。両親は小さい頃戦争で死んだ。海賊になったのは悪名名高い海賊に殺されそうになったところをキリン様にたすけてもらってからだな。あれから7年たつのか。俺も22で、キリン様も29で。あと5年前におまえ・・・・・・へイナが来たんだよな。最初はヘリオス神聖国の騎士団員だったっていうから俺も冷たくあたったよな。でもおまえって天然っていうか・・・・・・そうだな純粋すぎるんだよな。生真面目でしかも海賊やるには心配なくらい素直だったし・・・・・・いや今もそうだな。さすが漢字で書くと平和ってだけある・・・・・・お?むくれてんの?馬鹿にしたんじゃないって。最初見た時は女かと思ったけどよ。って!怒んなって!だっておまえ男にしちゃ・・・・・・しかも騎士団で剣術やってましたっていうにしちゃ細すぎだろ!色も白いほうだし・・・・・・あ、ごめんな、色素が薄いの気にしてたんだっけ?でもヘリオスだと銀の髪って黒髪なみに多いし気にすることはないだろ。でもま、剣の腕はたしかでしたよ。キリン様には負けるけどな。
キリン様は女の身で男が大半をしめるこの海賊団率いてるんだ。まあ並大抵じゃあつとまらないわな・・・・・・褒めてるつもりなんだけどまだ機嫌悪い?
うーん、俺さ、さっき言った夢の話の質問答えられなかったって言ったじゃん?でもさ、大切なものって仲間・・・かな? キリン様のことはもちろん大事だし、おまえのことだって大事だって。親友なんだからさ。俺孤児だったし、海賊に襲われるまでそこの領主の家で召使いやってたからか友達っていなかったんだよ。だからさ、おまえと仲良くなれて嬉しかったんだよ。だからさ、これからもよろしくな。
ん? 何でこんな話になったんだっけ? まあいいか。
なんかさ、最近またヘリオスが不穏な動きしてるとかいうじゃんか。また戦争とかはじまったりするのかな。
でも安心しろって。俺が守ってやるからな。あ? 守られるおぼえはないって? そう言うなって。ほら、俺の方が1コ年上だし、おまえより2cm背高いし、先輩だし?
わー!! 魔法はなし! おまえなんか知らないけど魔法得意じゃん!! ムリムリ!! ごめんって!!!
・・・そ、これが俺の日常・・・楽しい日が続いて、悩むこともそんなにない毎日・・・俺の大好きな生活。